緊急事態宣言の発令が気休めで、行わなくて良い理由

 新型コロナウィルスが世界的に猛威を振るっているおり、各国は都市閉鎖なども含めて様々な対応に追われている。そのような流れを受けて日本では緊急事態宣言を発令するべきとする世論と首相の「宣言する状況ではない」という発言が切り取られ、誤った解釈が広がっているということが最近多く見られるようになった。しかし、その世論を主張する多くのものが「緊急事態宣言」を理解していないということを理解していないことが多い。
 そのため、この記事では「緊急事態宣言とはなにか」そして「現時点で出す必要がない理由」を説明したい。

そもそも緊急事態宣言とはなんなのか

「緊急事態宣言の発令を」と新型コロナウィルスの話題になったときに繰り返し始めるような人々をはじめ、「現時点では宣言する状況でない」という発言に怒り狂っている人々は多い。これはきっと「緊急事態宣言」を誤って受け止めていることに起因すると考える。そこで今一度「緊急事態宣言」について学び直していきたい。

まず、緊急事態宣言とは、「新型インフルエンザ対応の特別措置法(以下特措法)」を根拠とするものである。

この特措法は2009年から10年にかけて、新型インフルエンザの流行の際に、行事の自粛や休校の判断などが自治体で分かれ、責任の所在もはっきりしなかったという反省から12年に法律がつくられたもので、新型コロナウィルスの感染拡大に伴い今年3月に改正された。

特に注目すべきポイントは、新型コロナウィルス感染症を新型インフルエンザとみなして特措法すること。そして既にに定められている「新型インフルエンザ等対策行動計画」は、「新型コロナウィルス感染症対策行動計画」としても定められたものとするということだ。

つまり既存の「新型インフルエンザ対策」を今回の「新型コロナウィルス」にも適用したという形になっている。

そしてこの法律の目的は「感染症対策を強めて国民生命や健康を守り、生活や経済への影響を小さくすること」であるが、特に流行の拡大で国民生活や経済に甚大な影響を及ぼす恐れがあると(首相により)判断される場合には「期間」と「区域」を定めて「緊急事態宣言」を宣言することができるとされている。

これは所謂「医療崩壊」を防ぐためのもので、具体的には「要請」という形で行われる。

正確には「住民への外出自粛要請」や「学校・保健所・老人福祉施設などの使用停止の要請・指示」、「音楽・スポーツイベントなどの開催制限の要請・指示」「予防接種の実施指示」「同意を得ない臨時医療施設のための土地、建物の使用」「鉄道、運送会社などへの医薬品の運送要請、指示」「医薬品や食品などの売り渡しの要請や収用」であるが、多くすでに行われていることであると賢者読者の皆様ならお分かりいただけることだろう。

そして唯一と言っていいほど政府が強権的に対応することができるのは「臨時医療施設の建設の際」と「医薬品や食料品の売り渡し要請と収用」という2つのみである。

やはり宣言する時期ではない

以上「緊急事態宣言」について詳しく見てきたが、以上が示すことはやはり「緊急事態宣言」を宣言するのは時期尚早であるということだ。

現段階では新型コロナウィルスに対しての有効なワクチンは存在しないため、予防接種や医薬品を運ばせることもできない。

唯一できるのは「国民や企業に対する各種要請」であるが、もうすでに自治体が先行する形で要請は行っている。

もちろん今後の展開次第では「緊急事態宣言」を宣言する可能性は十分に考えられるが、首相の「(緊急事態宣言を)宣言する時期ではない」という発言は、誤解を与える余地のない発言だったのではないかと思う。

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